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知多半島の最南端でナゾのNEWスポーツが流行中!?

適度な運動、やってます?

健康を維持するためには“バランスのよい食事”と“適度な運動”なんて
言葉をよく聞きますが、
「じゃあ、適度な運動って実際にどれくらい!?」
って、思ったことはありませんか?

020年に世界保健機構(WHO)が発表した最新のガイドラインでは、
18~64歳の一般的な成人の場合、
中強度の有酸素運動を週に150~300分程度
(例えば、笑顔で会話できるペースの軽いジョギングを1日30分×週5日)
もしくは、
高強度の有酸素運動を週に75~150分程度
(例えば、息が弾むほどのペースのランニングを1日25分×週3日)
さらに、
1週間のうち2日は中強度以上の筋力トレーニングを取り入れることが望ましい……
とされています。

いやいやいや、これはちょっとハードルが高いでしょ!

何もここまでしなくても、子どもからお年寄りまで誰もがゆるっと楽しめるスポーツを一生涯続けていく。それこそが健康維持の秘訣だと思います。

町民が熱くなるスポーツの正体は!?

そんな中、南知多町で広まり始めたスポーツが「囲碁ボール」!!
なんだか頭脳プレーが要求される難しそうな競技にも思えますが、この聞きなれないスポーツについて南知多町役場 社会教育課 スポーツ担当の滝本さんにお話を伺いました!

町民の健康を支えるスポーツ課の滝本さん

「そもそも南知多町では生涯スポーツとしてミニテニスという競技を20年くらい続けていました。しかし、そろそろ新しい競技に取り組んでみようということで、令和4年度から始めたのが囲碁ボールです。」

実は囲碁ボールをお勧めしてくれたのは、町内5地区から3名ずつ選ばれた地域のスポーツ推進員さん。いわば町民から出された意見を行政が取り入れたかたちです。

「囲碁ボールというのは基本的には室内競技で、ボールを使った五目並べのようなもの。碁盤の目を描いた専用マットに49個のくぼみがあり、スティックで打ったボールがタテ・ヨコ・ナナメに3個以上並べば得点になります。」

子どもから大人まで誰もが夢中になる競技です

余談ではありますが、囲碁ボールは兵庫県丹波市柏原町で1992年に町おこしの一環で考案されたニュースポーツ。個人もしくはペアに分かれて、白と黒のボールを10個ずつ交互に打って得点を競います。

「パターゴルフのように木製のスティックでボールを打つだけですから、激しい動きがまったくなく、広いスペースを必要としません。子どもから高齢者まで全年齢の方が気軽に楽しんでいただけます。」

大会で予想外の展開に!!

2022年9月には第1回囲碁ボール大会in南知多町が開催され、小学生同士のペアや親子ペア、高齢者同士のペアなど12チーム24名が参加しました。

参加した皆さんからは、
  「ルールが難しくない!」
  「その日に来てすぐ始められる」
  「初対面同士で和気あいあいと楽しめた」……
など、うれしい声が聞かれました。

「囲碁ボールではカーリングのように、自分のボールを相手のボールにぶつけて押し出すことも可能です。次はどこへ打とうかと戦略を練ったり、うまく打てたら盛り上がったりと、皆さんに楽しい時間を過ごしていただくことができました。」

スティックで打ったボールをマットの盤上に並べるシンプルな競技ですが、思い通りのところへボールを運ぶには絶妙な力加減集中力が必要です。
これは普段からグラウンドゴルフにいそしむ高齢者が有利かと思われましたが、第1回大会で優勝したのはその日にルールを覚えたばかりの親子ペア。年齢や経験で実力差を感じることなく誰もが同じスタートラインに立てるのも囲碁ボールの利点です。

第1回囲碁ボール大会で優秀な成績を収めた皆さん

「今後も南知多町総合体育館では年5回程度囲碁ボール教室を開催し、ルールやゲームの進め方を指導する予定です。篠島や日間賀島でも出前教室を開く予定で、全町をあげて囲碁ボールの普及に取り組んでいきます。」

ちなみに総合体育館では囲碁ボールセットを無料で貸し出してくれるとか。
今年の秋に開催予定の第2回大会は、前年以上に盛り上がりそうですね!

健康増進を助ける総合体育館

さて、新たな生涯スポーツが盛り上がる一方で、南知多町内で体を動かせる場というのは非常に限られています。町内に民間のスポーツジムなどはなく、主に町民の健康を支える拠点は総合体育館です。

「建設からすでに30年以上が経過しており、近年では吊天井の耐震化照明のLED化などを行いました。また、令和4年度にはトレーニングルームのマシンを更新し、さらに多くの町民に利用していただく機会を増やそうとしています。」

ピカピカの新しいマシンを導入したトレーニングルーム

ちなみにトレーニングルームは高校生以上が対象で、毎週水曜日に開催される講習会への参加が必要。講習会で専任のトレーナーからマシンの手ほどきを受けたあと、1回100円でいつでも自由に利用できます。なかには毎日のように通う人もいて、最近特にトレーニングルームの人気が高まっているそうです。

「他にもメインアリーナにある2セットのバスケットゴールのうち1セットを更新しました。南知多町はバスケットボールが盛んで、体育館の設備も充実していますから、町内だけでなく町外からもわざわざ大会を開きに来てくれますね。」

最新の移動式バスケットゴールを完備

少子高齢化に伴い、町内のスポーツ人口は減りつつあるのが現状ですが、それでもできるところから環境を見直して町民の健康をスポーツで支えていく町の姿がありました。


WEBライター 中尾潤子